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喪服と礼服の違いとは?「明日のお通夜に礼服を着てきて」と、言われたら?礼服と喪服の見分け方
最終更新日 : 2025年1月17日
喪服と礼服は混同されることが多いものの、それぞれの言葉の持つ意味と使い方は異なります。
「明日のお通夜に礼服を着てきて」
「お葬式があるから、礼服を持ってきてね」
と言われて、「礼服じゃなくて、喪服じゃないの?」と迷われた方も多いのではないでしょうか?
今回は、喪服と礼服の違いに加えて、喪服の種類やお通夜や葬儀の着こなしについても分かりやすく解説します。
この記事は、aniva・organic編集部が書いています。
フォーマルスペシャリスト資格保有。メンズ・レディース問わず、喪服を年間2,000着以上の販売実績あり。パールネックレス・フォーマルバッグも年間2,000点以上販売。冠婚葬祭のマナーに準じた礼装を、シーンに合わせてご提案いたします。
aniva・organic編集部
目次
喪服と礼服の違いとは
「喪服と礼服の違いが分からない」というご質問を頂戴しました。喪服は、礼服の一種ですので、お通夜や葬儀で「礼服を着てください」と言われたら、礼服の一種である喪服を着用します。
取引先の方が亡くなったようで、上司から「明日のお通夜のために礼服を持ってくるように」と言われたのですが、喪服じゃないのでしょうか?
喪服で大丈夫ですよ。参列者のお立場で、亡くなった日の翌日のお通夜でしたら、会社に準喪服を持って行かれると良いでしょう。
そうなんですね。喪服でいいんですね。
遠い親戚の方が亡くなったようで、母から「お葬式のために礼服を持ってきてね」と言われたのですが、喪服じゃないのでしょうか?
遠い親戚の方の葬儀で、喪主やその親族のお立場であれば正喪服を着ます。関係性が薄く正喪服でなくてもよければ準喪服でも大丈夫です。お母様に準喪服でも問題ないか再確認しておくと良いですね。
喪服で大丈夫、と安心したのですが・・・。準喪服もちょっとわかりません。
喪服は、「礼服の一種」といってもなぜ通夜や葬儀で礼服というのでしょうか?ちょっと紛らわしいですよね。「喪服で来て」って、言われたらすぐ分かるのに。
はい、喪服がなぜ礼服の一種なのかも含めて解説していきますね。
礼服の一種として、「喪服」があります
礼服とは、冠婚葬祭で用いる服装全般を表す言葉で、英語では「フォーマルウェア」と呼ばれます。
一方の喪服は、お通夜や葬儀・法事などの弔事(お悔み事)で着用する服装となり、冠婚葬祭の「葬祭」にあたる場で着用する服装を言います。
・礼服は、冠婚葬祭の「すべて」で着用する服装の総称
・喪服は、冠婚葬祭の「葬祭」で着用する服装の総称
と、理解すれば分かりやすいと思います。
なるほど、礼服は冠婚葬祭の「すべて」で着用する服の総称だから、お通夜や葬儀でも礼服と言ったりするのですね。
でも、冠婚葬祭ってよく言いますけど、具体的にどんな場面が冠婚葬祭なのでしょうか?
はい、次に冠婚葬祭も解説しますね。
冠婚葬祭とは
冠婚葬祭とは、元服・婚礼・葬儀・祖先の祭礼の四大礼式のことです。
人生の節目に行なわれる通過儀礼の全般を指す言葉で、冠・婚・葬・祭の4文字それぞれに違う意味があり、慶弔の儀式の総称です。
・「冠」は、七五三・成人式・還暦などの「人生の節目の祝い事」
・「婚」は、結婚式・婚礼などのお祝い事
・「葬」は、通夜・葬儀などのお悔み事
・「祭」は、法事・お盆などの祖先を祭る儀式から、お正月や節分・七夕などの「一年の節目の行事」全般
をそれぞれ意味します。
そうなんですね。冠婚葬祭って、人生の節目節目の行事って、理解すればよいでしょうか?
はい、その理解で大丈夫です。人が生まれて成長し、そして人生を全うするなかでの節目の行事すべてを冠婚葬祭と言います。
喪服の種類とは
喪服には、格式が高い順に、「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があることをご存じでしょうか?
通夜や葬儀に着用する喪服は、どの立場で式に参列するのかでふさわしい礼装は変わります。
[1] 正喪服
正喪服は、最も格式が高く、葬儀の場で喪主が着用する喪服です。
女性の正喪服は、洋装であれば「ブラックフォーマルドレス」。男性の正喪服は、洋装であれば「モーニングコート」が該当し、ビジネス用の黒よりも濃い黒の生地です。
正喪服は、シンプルであらたまったワンピース・ツーピース・アンサンブルなどです。衿元は詰まっていて、袖は長い袖、着丈は膝が隠れるひざ丈から、くるぶし丈のものにします。靴は黒でシンプルなデザインのパンプス、ストッキングも黒を着用します。バッグも黒で、布製のシンプルなデザインを選び、サイズは小型が好ましいです。アクセサリーは、パールネックレスを合わせます。
正喪服は、喪主や喪主の親族が葬儀で着る洋装ですね。
はい、そうです。1点注意点としては、夜間の通夜は、喪主であっても正喪服ではなく準喪服を着用します。
お通夜では、喪主でも正喪服ではなく準喪服を着用する?それは何故なのでしょうか?
はい、喪主の正喪服は、洋装で男性の場合、モーニングコートになるのですが、モーニングコートは昼間の服装になり、夜間の服装ではありません。お通夜は、夜間に行うことが多いため、喪主であっても、「夜間のお通夜」は、正喪服ではなく、準喪服を着用します。
[2] 準喪服
準喪服は、主に参列者がお通夜やご葬儀、法要(三回忌法要まで)で着用します。喪主の親族・近親者の女性であっても、正喪服ではなく準喪服を着用する場合もあります。
女性の準喪服は「ブラックフォーマルスーツ」、男性の準喪服は「ブラックスーツ」が該当し、正喪服と同じく、生地の色はビジネス用の黒よりも濃い黒色です。「準」とついていますが、喪服メーカーが「喪服」として販売している喪服の多くは、準喪服に該当します。
準喪服は、一般的な喪服であるワンピース・アンサンブル・スーツなどで、パンツスーツでも構いません。袖丈は5分丈から長袖、着丈は膝が隠れるひざ丈からミディ丈(ふくらはぎ丈)のものにします。バッグは黒で、布製や革製などの中型までのサイズで構いませんが、カジュアルにならないように気を付けます。靴は黒で、シンプルなデザインのパンプスにし、ストッキングは黒が良いでしょう。アクセサリーは、パールネックレスを合わせます。
準喪服は、参列者が主に着る洋装ですね。
はい、そうです。1着も喪服を持っていない方は、社会人になるタイミングで準喪服を購入しておいた方が良いです。
[3] 略喪服
略喪服は、法要(七回忌以降)、故人を偲ぶ会で参列者が着用します。
また、参列者は、故人が亡くなられた当日のお通夜は略喪服を着用します。
これは、故人が亡くなられた当日のお通夜に、参列者が準喪服を着ていくと「不幸が訪れるとわかっていて準備していた」と捉えられる場合もあり、そのように捉えられないように配慮するためです。
また、七回忌以降では、喪主も略喪服を着用する場合があります。施主がダークスーツにする場合は、喪服が格上にならないよう、参列者もかならずダークスーツにする必要があることを知っておいてください。
略喪服では、ビジネス用の黒よりも濃い黒である必要はなく、濃紺やダークグレーのワンピースやツーピース、アンサンブル、パンツスーツなどが一般的です。
男性もダークグレーと黒ネクタイの組み合わせなど、地味な色合いになるよう心がけてください。
お通夜では、礼服としてどんな「喪服」を着るの?
《参列者の場合》
・参列者のお立場で、故人が亡くなられた当日に開かれるお通夜であれば、略喪服を着用してください。
・参列者のお立場で、故人が亡くなられた翌日以降に開かれるお通夜であれば、準喪服を着用してください。
故人が亡くなられた当日かどうかで、参列者は準喪服か略喪服かを判断すればよいですね。
《喪主・喪主の親族の場合》
・喪主や喪主の親族のお立場で、夜間に開かれるお通夜であれば、準喪服を着用してください。
正喪服のモーニングコートは昼間の正装なので、「夜間のお通夜」は、格式を合わせるために、正喪服ではなく準喪服を着用するのですね。
葬儀では、礼服としてどんな「喪服」を着るの?
《参列者の場合》
・参列者のお立場で、葬儀であれば、準喪服を着用してください。
葬儀であれば、参列者は準喪服になるので、判断もラクですね。
《喪主・喪主の親族の場合》
・喪主や喪主の親族のお立場で、葬儀であれば、正喪服を着用してください。
※もし、故人との関係性や式の規模、身体的な理由や遠方から駆け付けるため等、特別な理由がある場合は、準喪服の着用でも構いません。
※喪主間で礼装の格式は合わせた方が良いため、親族が正喪服を着る中、格式の違う準喪服を着用する場合は、事前に準喪服でも問題ないか確認された方が安心です。
喪主や喪主の親族でも、正喪服ではなく準喪服を着ることもあるのですね。
年代別の喪服の着こなし
世代別で選ぶポイントを知り、ご自身の年齢にあった着こなしをしましょう。
お2人の年代の方に、おすすめの喪服も一緒に解説しますね。ぜひ参考にしてください。
ありがとうございます。
10-20代の喪服の着こなし
高校を卒業した18歳、もしくは、20代の方だと「はじめて喪服を購入する」という方も多いでしょう。どの喪服を購入しようか迷ったら、フレアスカートとノーカラージャケットの組み合わせがオススメです。フレアスカートならタイトスカートよりも動きやすく、さっと羽織れるノーカラージャケットはとても重宝します。
かわいいデザインの喪服ですね。
また、丈の長さを気にしなくてもよいパンツスーツも良いでしょう。靴は黒のパンプスが基本です。ストッキングも黒が良いでしょう。
パンツスーツも動きやすくておすすめですね。
アクセサリーは、ホワイトのパールネックレスを合わせます。
30代の喪服の着こなし
30代の方だと、結婚や妊娠・出産など、社会的な立場や体型の変化が生じる方も多いでしょう。20代の頃に購入した1着目の喪服とは別のアンサンブルやワンピースの喪服も1着あると便利です。30代になると会社や結婚などで交友関係が広がり、葬儀や法要に参列する機会が増えてきます。同じ喪服を着まわすよりも2着目の喪服があると重宝します。
また、妊娠・出産などで体型の変化もおきますので、お腹周りを締め付けないアンサンブルやワンピースの喪服、かつ、ファスナーが前にある前開きの喪服であれば、出産後の授乳期の赤ちゃんがいるタイミングでも便利です。
前開きなら、将来赤ちゃんが生まれたり、体型が変化しても着やすくていいですね。
番外編:礼服の種類とは?結婚式を例にご紹介します
礼服の種類は喪服と比べて多く、男女によって内容も異なります。
ここでは、結婚式での礼装を、和装・洋装別に簡単に紹介します。
《男性の礼服》和装
・紋付き羽織袴
《男性の礼服》洋装
・モーニングコート
・タキシード
・燕尾服
・ディレクターズスーツ
・ブラックスーツ
・ダークスーツ
《女性の礼服》和装
・黒留袖(くろとめそで)
・色留袖(いろとめそで)
・振袖(ふりそで)
・訪問着
・色無地(紋付き)
《女性の礼服》洋装
・アフタヌーンドレス
・ロングドレス
・ディナードレス
・フォーマルワンピース
・フォーマルスーツ
うーん、色々と種類があるのですね。
はい、全てを紹介すると、種類も多いですので、また別の機会に解説しますね。
番外編:礼服と喪服の違いはある?見分け方がある?喪服とビジネススーツとの違いは?
礼服と喪服の違いは、先ほど解説したように、礼服の一種として喪服がありますので、違いはありません。
・礼服は、冠婚葬祭の「すべて」で着用する服装の総称
・喪服は、冠婚葬祭の「葬祭」で着用する服装の総称
礼服と喪服の違いは、デザイン・カラーが喪服とは異なります
ただ、礼服は結婚式などの慶事で着用する場合は、デザインやカラーが喪服とは異なります。喪服のデザインは、アンサンブルやワンピース・パンツスーツなどですが、結婚式での礼服は、アフタヌーンドレス・ロングドレス・ディナードレスなどのドレス系のデザインが含まれます。 また、カラーも異なります。喪服のカラーは、通常の黒色とは違い、濃染加工を施した深い黒色になります。礼服は結婚式などの慶事で着用する場合は、黒色に限らず、ネイビーや淡いピンク、シルバーなど、その場にふさわしい明るい色味も増えてまいります。
最も避けたいのは、黒色のビジネススーツで葬儀に参列すること
正喪服や準喪服の一般に喪服と言われるカラーは、通常の黒色とは違い、濃染加工を施した深い黒色になります。
ビジネススーツも黒色の無地で地味なデザインであれば、略喪服として使用しても問題ありませんが、略喪服を着用できるのは、故人が亡くなった当日に開かれるお通夜と七回忌以降の法要からになります。故人が亡くなった翌日以降に開かれるお通夜や葬儀では、参列者は準喪服を着用し、喪主も正喪服を着用します。ここでは、略喪服を着用しません。
よくある間違いは、黒色のビジネススーツで葬儀に参列することです。深い黒色の正喪服や準喪服のなかに、通常の黒色のビジネススーツがまぎれると、ビジネススーツのみグレーに見えてしまい、悪目立ちをしてしまいます。フォーマルシーンでは、喪主間や参列者の間で格式を合わせることが重要です。
黒色のビジネススーツなら、「葬儀に参列してもいい」って、と間違えて理解されている方は多そうですね。
よくある間違いですね。葬儀は準喪服をきちんと準備された方が良いです。 通常の黒色も準喪服などの深い黒色のなかに入るとグレーに見えてしまう、というのは知りませんでした。
はい、たまに「黒色のビジネススーツで葬儀は十分」というお声も聞きますが、ご自身の知らない所で恥をかきますので、参列者の方は、準喪服を用意したほうが良いですし、喪主のお立場であれば、なおさら正喪服を準備したほうが良いです。 そうなのですね、勉強になりました。
まとめ:喪服は「礼服」の一種、通夜や葬儀で「礼服を着てきて」と言われたら喪服を着ましょう
いかがでしたでしょうか?
喪服は、礼服の一種であり、お通夜や葬儀において着用する礼装です。
喪服や礼服には、それぞれ多くの種類があり、さらに着用する場も異なっているので、どの立場で葬儀に参列するのか、どのような場なのかを確認して最適な喪服・礼服を着用しましょう。
喪服は、礼服の一種です
通夜や葬儀で「礼服を着てきて」と言われたら、喪服を着る
立場や式の内容で、着る喪服の格式も変わり、参列者であれば準喪服を用意する
ありがとうございます。喪服が礼服の一種、というのはよく理解できました。
はい、喪服を着る場や立場で、どの格式の喪服を着るのかが変わりますので、その点もよく理解しておいてください。
そうですね。今回は参列者なので、準喪服を用意すればよいですね。
私の場合は、喪主の親族ですが、母に確認したら「遠戚なので準喪服でいいよ」とのことでした。
はい、事前に確認されて問題ないようでしたら、安心して行けますね。
喪服には3種類ありますが、どれを着用してもよいわけではありません。マナーの沿った着こなしをするためにも、まずは喪服に関する基礎知識からおさらいしていきましょう。基礎知識を学んだうえで、もし喪服を1着をまだお持ちでない場合は、ぜひ立場や格式に合わせた喪服をご検討ください。
インターネット通販であれば、外出もせずに手軽におしゃれなデザインの喪服を調べることが可能です。既に喪服を持っている場合でも、着用する機会が増えてくる前に一度調べておくと良いでしょう。
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